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2011年09月15日

インタビュー:ジェシー・リー・パーカー「日本でタオヨガを教える」

Interview by Dylan Robertson
Japanese translation by Tao Yoga Academy

4月10日、タオヨガを日本で教えることについて、ジェシー・リー・パーカーにインタビューをしました。 それ以来、ジェシーはさまざまな雑誌やテレビで取り上げられ、新たなファンが増えています。

ジェシーは最近、東京の下北沢にタオヒーリングスペースをオープンしました。下北沢はヨガスタジオが多く、アーティストやオルターナティブなライフスタイルに関心のある人々が集う場所。ジェシーと話をし、タオヨガのクラスについてもっと知るべく、下北沢のスペースを訪ねました。さらに、チべタン・ヒーリング・サウンドボウルの紹介もしてもらい、ヘルシーな暮らしについてタオイストの視点から語ってもらいました。

 

 

この下北沢のスペース、とてもいいですね。新しい畳も気持ちいいですし、自然のものをうまく取り入れていて素敵です。

どうもありがとうございます。

このスペースを何と呼べばいいでしょうか。いわゆるヨガスタジオとはちょっとちがいますよね。

ええ、タオ養生スペースと呼んでいます。タオヨガを教えるだけでなく、
健康や活力をとりもどす養生整体というヒーリングセラピーも受けることができるスペースです。養生という言葉は聞いたことがありますか。

養生整体とは、どういうものでしょう?

養生とは、ヤンシェンという中国語の言葉を日本語読みしたものです。生命を養うという意味です。日本では、多くの雑誌が「養生」について取り上げはじめています。中国に古くから伝わるさまざまなヒーリングの技法をまとめて「養生法」と呼んでいて、食事法やハーブ療法、マッサージセラピー、瞑想、哲学、ヨガが含まれます。

私たちがタオヨガと呼んでいるものの大部分は、中国ではヤンシェンゴン(日本語で養生功)と呼ばれています。功とはワークとか努力といった意味で、養生は命を養う、命を癒すという意味です。それでここは、私たちの養生スペースというわけです。

ジェシー・リー・パーカーの下北沢スタジオでのクラスの様子

以前、ここで教えている様子を見ましたが、とてもいい雰囲気で、すばらしい人たちの集まりでした。クラスに来る生徒は、どんな人が多いのですか。

いまはプロレベルの生徒が多いですね。ピラティスやジャイロトニック、ヨガのインストラクターをしている生徒がいます。

以前は、もっとアマチュアの生徒が多かったです。生活のストレスを解消したり、体の不調を治したり、やせたい、シェイプアップしたいといった理由で始める初心者が主でした。

いま東京のスペースに来てくれる生徒は、もう少し真剣です。教える自分にとっては、とても嬉しいことです。メモを取ったりして、熱心に学ぼうとしているのがわかりますから。

それから、ほとんどの生徒は20代前半から30代半ばだと思います。活気があっていいですよ。東京の人はとても活発だと思います。なにかを学ぼうとすると、とても熱心で積極的です。それは教える側にとって、素晴らしいことです。

中国で生まれた技法を教えているわけですが、日本ではどのように受け入れられていますか。

日本ではこうした技法について、あまり教えられていないようです。もちろん、日本では「気功」という言葉になじみのある方が多いでしょう。それも中国で生まれた技法のひとつですが、いまの時代に合わせて自分なりの体系をつくりあげる人が多いですね。

タオイストのさまざまな技法は、中国では導引(タオイン)や養生功(ヤンシェンゴン)と呼ばれますが、もっと広範にわたります。身体トレーニング、身体の調整、体の芯の調整、動作の調和、あらゆる方向に体を動かす練習、そして「気」というエネルギーを扱う練習をふくみます。実にさまざまな技法があるわけですが、どの技法も自分を癒し体内のバランスを得るという目的を持っています。パワーヨガのクラスで見られるようなトレーニングとはちがいますが、体調を整える効果があります。

その主な目的は体本来の機能、つまり健康の回復です。最近、インド式のリストラティブヨガに関する記事を見ましたが、その説明を読んで「ああ、私たちがやっているのと同じことだな」と思いました。タオヨガはリストラティブヨガだと言えます。タオヨガの主な目的は、自己ヒーリングとバランスを取ることなのです。

いまの社会では、働きすぎ、ストレスのかかりすぎなどで、ほとんどの人がバランスをひどく崩していると思います。だから、こうした技法が本当に必要だと思うんです。みんな、もっとゆったりして、深く息をすることをおぼえ、不安や心配を手放すことをおぼえ、自然とつながることもおぼえないといけません。そうすれば、バランスが取れてきたと感じ、仕事もはかどるし、人間関係もよくなっていきます。

バランスを崩しているといえば、東京は特に大都市ですから、その傾向が強いでしょう。ここに来る生徒は、どんな問題を抱えていますか。

ほとんどの人は睡眠不足だと思います。これが第一印象ですね、睡眠の習慣が不健康な人が多い。もうひとつ、中国医学によると、腎臓は体の活力を養い、体の本質的なエネルギーを蓄える臓器です。ほとんどの人は腎臓の機能が非常に低下しています。

つまり、活動しすぎ、働きすぎ、考えすぎ、ストレスを受けすぎ、休みが足りないために、活力が十分に養われないのです。これが主な問題だと思います。生徒たちには、毎日、ゆったりした時間を持つように言っています。日々のペースをゆるめ、ゆったりと体の内側を見つめ、息のバランスを整え、自然とつながるようにと。

ジェシーの教えているワークは、先ほどの話にもあったように、とても広い範囲にわたっています。ボディワークもあり、瞑想もあり、さまざまな呼吸法、気功のような体操やエクササイズもあります。それに、ジェシーは中国のさまざまな内家武道――太極拳や形意拳や八卦拳――も習得しているんですよね。ずいぶんたくさんの技法です。

私が武道を習いはじめたのは、13か14歳の時でした。故郷の町で、中国人の先生に教わったのですが、その先生が素晴らしかったんです。武道のあらゆる側面を教えてくださいましたし、先生はヒーラーでもあり、タオの哲学も学んでいらっしゃいました。そのころから、私はさまざまな技法の影響を強く受けていました。

16歳になったころには、その先生のもとで太極拳のインストラクターを務めるまでになりました。それからもたくさんの先生に教えを受けました。私の年齢は秘密ですが、40歳は過ぎていますから、もう25年以上学んだり探究したりしているわけです。そういう経験が積み重なって、いろんなことをおぼえるんですよ。

私は自分のことを変革者だと思っています。私の教えている内容をタオヨガと呼んでいるのもそのためです。伝統的なものには一切とらわれたくないし、これが理想だという先入観にもとらわれたくないのです。

細かい区分けをしていないので、私には、教えたいことをそのまま教える自由があります。だからみんな、ここへ来て言うんです。「わあ、これは何ですか? 何をしているんですか?」って。

私が教えているのは、長年のトレーニングを経験して編み出したオリジナルのシステムです。私にはさまざまな技法に共通する根っこが見えました。どの技法も体を使い、体は活動と非活動――動と静――に使われるのです。

息には、吸う息と吐く息があります。マインドは集中と、集中の停止――空だとか、マインドのない状態と言ってもいいでしょう――に使われます。

つまり、体と息とマインドがあります。すべての技法がこの三つの要素を使います。インド式のヨガでもそうですよね。これらのことから、体を癒しエネルギーを開発する基礎となるものを理解したんです。ですから、私の教えていることのなかには、もともととても複雑だったものをシンプルにして、生徒が最初から理解しやすいようにしたものもあります。

私の教わった先生の多くは伝統的な教え方で、一、二、三……と段階をふんでいかなければなりませんでした。なにをしているのかわからないし、なにをしているのか教えてもらえない。自分で謎を解かなければならなかったんです。

私としては、なにかをするのにもっとシンプルなやりかたを知っていたり、なにかを達成するのにもっと易しい方法を知っているなら、生徒に教えて分かち合うのが先生の仕事だと考えています。そうすることで、生徒の時間を無駄にしなくてすみますから。

クラスに来る人はみんな、健康になりたいし、体をもっとやわらかくしたいし、マインドをリラックスさせたいし、純粋な心を感じたいし、病気や体の不調を治したいのです。どんなクラスに来る生徒も、こうしたことを求めています。

ですから、こうしたことをよりはやく生徒に与えることができるなら、そうすべきなんです。それが先生の仕事です。

日本で教えてみて、どんな印象ですか?

私は日本が大好きです。わかる人はわかると思いますが、ともかく、日本のフィーリングと人々が大好きなんです。とても意義深い人間関係のいくつかは日本でできましたし、日本の生徒はとても真面目で誠実です。

生徒が面目で誠実なのは、本当に素晴らしいことです。クラスに来ることに決めたら、本当に真剣に取り組んで、定期的に来てくれます。日本の生徒は素晴らしいと思います。

でもいま東京では、外国人の生徒も増えています。外国人も日本人もいることで、クラスではとてもいいバランスが取れています。もっと楽しく社交的なヒーリングができます。友だちもできますし、クラスが終わったら一緒にカフェに行く生徒も多いです。こうしてコミュニティのようなものになっていくのは、とても大事なことだと思います。

ただ練習をして瞑想をするだけではなく、友だちをつくってコミュニティの一員となることも、人間として大事な側面です。人には友とコミュニティが必要なのです。

これから、ティーチャートレーニングコースも始まるんですよね。そのことについて聞かせてください。

自分の人生を考えたとき、日本にいつまでも住んでいるとはかぎりません。未来はどうなるか誰にもわからないし、このタオヨガのシステムを教えるのを助けてくれる人たちがいたらいいなと思ったんです。いままで教えてきて、生徒たちに驚くほどの効果が上がっています。クラスには慢性病のある人がたくさん来て、とても早く快方に向かっています。すぐに効果があらわれるのを目の当たりにしているので、私の考えた教え方やシステムには自信があります。

生徒たちはどんどん健康になり、顔色がよくなり、感情のバランスも取れていきます。重いうつ病を抱えていて、10種類もの処方薬を10年以上も飲んでいた生徒もいます。かかりつけの医師たちは、薬をやめるのは危険すぎるから、一生飲み続けなけらばならないと言っていたそうです。でも、タオヨガを始めてから3カ月ほどで、ほとんどの薬を飲まなくてすむようになりました。気分もよくなり、出かけていってガールフレンドをつくったり、ポジティブで生き生きしています。

ですから、ほかの人たちもこの技法を教えるようになれば、社会全体にもいい影響が与えられると感じました。そこで、9カ月のプログラムをつくりました。3カ月毎に3つのテーマを扱います。最初の3カ月は身体を鍛え、身体の機能を高める考え方を学びます。次の3カ月は、エネルギーとエネルギーの開発について学びます。最後の3カ月は、より深い瞑想を行い、スピリットとマインドの理解といったことを学びます。つまり、タオヨガのさまざまな技法を広く学んでいきます。生徒たちは、とても楽しみにしているようです。すぐに定員に達してしまいましたし。

コースの定員は何名だったんですか。

5名の予定でした。一人一人と密に関わって、深いところまで教えたいので。でも、6人目の応募者は古くからの生徒で、「お願い!」って頼まれたので、「いいよ、おいで」って言って、6名になりました。いまは、7人目の人が応募してきています。でも、たぶん6名で締め切ると思います。5人が女性で、1人は男性です。ほとんどが女性の生徒ですね。

ヒーリング・サウンドボウルでのワークもしているんですよね。それはチベットのものですか、それとも中国のものですか?

チベットのものです。チベットはいまや中国の一部だと言う人たちもいますね。チベットは自治区ですから。

そのボウル(鉢)にはどんなヒーリングの効果があって、どんなふうに使うことができるのでしょうか。

ひとつ見せましょうか。

このボウルは19世紀のものですから、200年ほど前につくられたものです。チベットではブッダ・ボウルと呼ばれることもあります。僧が個人的に使ったと思われる鉢です。寺院には、読経や儀式に使われる、とても大きな鉢がありますよね。この鉢は、もっと個人的に使うサイズの鉢です。この鉢は、特別な性質を持ったアンティークの鉢です。縁がとても厚いでしょう。普通の鉢は、縁がとてもうすいものです。よく見ると、ここに円が刻まれ、中にはマントラのアートが彫りこまれています。

そういう特別な鉢で、音もとても美しいんです。現代の鉢を鳴らしたのを聞くと、響きがまるでちがいます。この鉢の音はとても長く響き、音程も幅広く揺れ動きます。

このボウルのヒーリングの効果についてですが、まず、ヒーリングとは何でしょう? ヒーリングとは、根本的に言えば、体のバランスが整うことです。それでは、エネルギーとは何でしょう? 人間の体の中で、エネルギーは主に5つの形を取ります。ひとつは電気です。これは理解しやすいですね。「ああ、電気はエネルギーだ」って。でも、これだけではありません。もうひとつは磁気です。もうひとつは光、もうひとつは熱です。五つ目は音です。これらはすべて、エネルギーの変わりゆく形です。エネルギーは常に変わっていき、体のさまざまな機能に使われます。

音波はエネルギーの一種です。現代の物理学でもいくらか研究はされていると思いますが、私たちの生きている間に、物理学と神秘主義が結びつくのではないかと感じています。こうした考えは自然のありさまそのものなので、やがては科学的に説明されるはずです。これは古代のテクノロジーです。古代の人々には、音がエネルギーであり、音にはヒーリングの効果があり、人間を癒すことができることがわかっていたから、こうした道具をつくったのです。

こうした古い鉢の歴史を見ていくと、なぜつくられたか、何のためにつくられたか、よくわかっていないんです。さまざまな形やサイズのものがつくられています。これはとても小さいものですね。最近、こうした鉢はいろんなマッサージセラピストやヨガスタジオの間で人気があります。多くのヨガスタジオでは、クラスの始まりにボウルを鳴らしますし、個人的に瞑想するときに使う人も多い。ヒーリングのために使うときは、体に乗せて鳴らすことで、音波が体の中に入っていきます。

興味深い実験が行われていて、こうした鉢に水を入れて鳴らすと、水面に幾何学的な模様が現れるんです。まるで水の中にマンダラが現れたように見えます。それを見れば、こう思うはずです。「この波形が体に入って、体というのはほとんど水でできているから、体の中で新たなパターン(模様)――調和を取り、バランスを取り戻すようなパターンがつくられるわけだな。」パターンをつくりかえている、とも考えられます。非常にストレスがかかっていたり苛立っているときには、体内に特有のパターンがはたらいています。この音波のテクノロジーを使えば、体のパターンをつくりかえ、もっと調和の取れたものとして、落ちつきを取り戻すことができるでしょう。だから、私はこのボウルが大好きなんです。

これらのボウルはアンティークで、歴史があります。寺院にあったり、僧が持ったりしていたのです。そして、いくつもの金属からつくられています。6種類から12種類の異なる金属が使われているそうです。現代では、どうやってそういうボウルをつくるのか、そのテクノロジーが知られていません。失われた技法と言えるでしょう。この古い鉢をつくるには、いくつものちがう金属を混ぜ合わせているので、錬金術のようなものです。私にとっては、歴史を物語るもので、とても気に入っています。見た目もとてもきれいだと思うんです。この色といい……これは私の趣味みたいなものですね。

次のティーチャートレーニングコースはいつの予定ですか。

ティーチャートレーニングコースをまたやるかどうかはわかりません。

まずは今回のコースの結果を見てみるつもりです。また同じようなコースをしないのであれば、なにかテーマをひとつ決めて、短いコースをしようと思っています。今回のコースの生徒たちには、私が20年以上かけて培った経験を9カ月で最大限に分け与え、引き継いでいくつもりです。

それだけの期間、真剣に取り組める人がいるかどうかもわかりませんでした。日本でティーチャートレーニングコースというと、週末コースだとか4日間コース、週末だけの1カ月コースなどが人気ですよね。でも、そんなに短期間で学べるものとは思えません。学ぶというより、導くという言ったほうがいいですね。私は生徒たちが内なるエネルギーの開発を経験し、内なる完成のレベルまで達するよう導きたいんです。そこまで達すれば、人に教えることもできます。エネルギーに関する内なる技法を教えるには、自分自身のエネルギーを開発する必要があります。そうでなければ、経験を伴わない単なる概念にすぎません。

概念は知恵とは異なります。知恵は経験からくるものです。直接なにかを経験すれば、そのことに関する知恵を身につけます。概念だけでは、それが真実かどうかわかりません。真実の概念もあれば、真実でない概念もあります。でも経験すれば、自分たちで成し遂げ、感じたことなので真実だとわかります。ですから、生徒たちにはさまざまな経験を積んでもらうつもりです。

食生活やライフスタイルについても指導するつもりです。タオヨガのシステムでは、内のプラクティス(練習)と外のプラクティスという言い方をします。内のプラクティスとは、ストレッチや呼吸法、瞑想といったワークのことです。外のプラクティスとは、ライフスタイルや生き方のことです。内と外、どちらも欠かせません。多くの生徒は嫌がりますよ。食生活を変えなければいけませんし、決められた時間に寝なければいけません。もうコーラは飲まないでください、といったことですね。強く抵抗する人もいますよ。「じゃあ、一日3回コーヒーを飲んじゃだめなんですか?」というふうに。「だめです」って言うんです。

外のプラクティスは、どのように生活するかということです。これはとても大事なことです。倫理観やモラルといった教えも含まれます。内のプラクティスと外のプラクティスを並行していかなければなりません。コースの生徒たちには、強い基礎を築けるように指導したいと思っています。これからもティーチャートレーニングコースを教えることはあるかもしれませんが、テーマをひとつに絞るかもしれません。一連のエクササイズがあるので、そのシステムにしたがって指導者認定もできるでしょう。ただ、今回のコースは、とても特別なものになりそうです。とてもポジティブな人たちが集まったので、これからどういうふうになっていくか楽しみにしています。

 

 

このインタビューはYouTubeで見ることができます(英語)

 

ジェシー・リー・パーカーとタオヨガについてもっと知りたい方は、下記サイトをご覧ください。
www.TaoYoga.jp



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